棚田周辺の茶草場
10haあったと言われる棚田は今でも約7haが棚田への復田は難しく草に覆われています。
しかしこの草は地元茶農家が茶草として毎年秋から冬にかけ刈取り茶園の有機質を補う
ために活用されています。
ところが良質な茶を作るために多くの労力をかけ管理されてきた茶草場は今では見ることが
できなくなった貴重な植物や生き物たちを育んでいたのです。
それは茶草を刈る私達茶農家が思いもよらないほど多くの生物を絶滅から救う行為だったのです。
この度、国連機関FAO(国連食糧農業機関)により世界農業遺産「静岡の茶草場農法」として
菊川、掛川、島田、牧之原市、川根本町の茶草場が認定を受けました。
世界農業遺産「静岡の茶草場農法」に認定された中でも倉沢の棚田周辺にある茶草場は絶滅危惧種のニホンアカガエルなど貴重な動植物の宝庫として静岡大学生態学研究室や東京農大地域環境学部が長年にわたり研究フィールドとして多くの調査研究がされ私たち地元農家はNPO法人せんがまち棚田倶楽部として棚田の保全活動と共に生態系を守る活動を続けてきました。
これからも美味しいお茶作りを続ける事はもちろんですが棚田周辺の生態系保護に力を注いでいきたいと思っています。
棚田周辺の茶草場で見られる生き物たち
左から猩猩袴、撫子、冬の花蕨、シュレーゲルアオガエル
女郎花、ササユリ、葛、桔梗
ユウスゲ、ホトトギス、フジタイゲキ、ニホンアカガエル
ナンバンギセル、ツリガネニンジン